もし、まだ言えるなら、それだけで幸せ。 母の部屋と、兄が寄越した小さな鍵。 「わたし」は、その部屋でなにか大切なものを探してる? 覚悟は、いつまで経ってもできないけど、 唐突に訪れたその日、 わたしは、「ありがとう」を言えたのかな? これは、小さな鍵から始まる。 母と過ごした最期の脱出ゲーム。 ありふれた毎日を、支えてくれた。 いつも気づかないほど自然に、寄り添ってくれた。 いままでのこと。 この部屋で、私はなにを探しているの?